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翔馬


翔馬

 近年、ニンジンの夏まき栽培は、地球温暖化による猛暑や豪雨、少雨といった気象変動の影響により、作柄が不安定になっています。
一方で、生産者の栽培は機械化による省力化、大規模化が進み、品種に求められる特製も今まで以上に高いレベルが要求されています。
そのようなニーズに応えるべく、「安定した生産性とそろいがよく作業効率の高い良質の夏まき年内どりニンジン」を目標に品種育成を行ってきました。そして「TCH-750」として数年間にわたり関東や九州の主要な産地で試験栽培を行った結果、期待した育種目標を達成し有望と認められたためタキイ交配「翔馬」と命名し、2015年に新発表することとなりました。

特性

尻詰まりのよい早生種

「翔馬」は尻詰まりが早く、肥大の安定した早生種です。形状の乱れが少なく、適期収穫でM/L企画によくそろい、秀品率が高い品種です。

初期育成が旺盛で作りやすい

夏まき栽培の播種時機は、生育環境が厳しいため発芽不良や立ち枯れが発生しやすくなり、収量や秀品率に大きく影響します。「翔馬」は高温条件下において発芽ぞろいがよく、初期生育が旺盛で欠株になりにくく栽培安定性にすぐれます。また、肩部の高温障害(エクボ症、肩こけ)に比較的強く、夏まき年内どり栽培に最適な品種です。

草姿立性で機械収穫に適す

「翔馬」の草姿は立性で葉が伸び過ぎず、葉軸はしっかりしています。そのため、中耕や土寄せ、薬剤散布など栽培管理が行いやすく、ニンジン収穫機を用いた機械収穫に適しています。

根色濃く肌がなめらかで食味良好

根形はやや肩張りの五寸形状で、根色は表皮から芯まで鮮やかな赤みのある鮮紅色です。肌がなめらかでツヤがあり、洗浄後の荷姿が美しい商品性の高い品種です。また、みずみずしい食感で臭みが少ないため、食味にすぐれます。適作型では播種後95~100日で根長18~20cm程度、根重180~200g程度によくそろいます。


栽培の要点

排水良好で有機質に富む土づくり:「翔馬」は耕土が深く、通気・排水・保水性のよい肥沃な畑での栽培が適します。地下水位が高く水はけの悪い畑では短根や、しみ腐病などが発生する恐れがあるため、水がたまらないよう明渠の設置や、畝を高めにするなど圃場の排水性向上に努めましょう。通気性や保水性、保肥力など土壌の物理性向上には緑肥栽培や堆肥施用を行います。
 堆肥は完熟堆肥を利用し、播種の1ヵ月以上前に施用します。排水がよく有機質に富んだ土づくりが「翔馬」を栽培する重要ポイントとなります。
追肥型の肥培管理:「翔馬」は「向陽二号」と同様に吸肥力のおとなしい品種のため、肥培管理に注意します。施肥量は「向陽二号」と同程度(10a当たりチッソ成分12kg程度)を基準とし、前作の残肥や畑の保肥力を考慮して施肥量を決定します。
 「翔馬」は初期生育が旺盛な品種のため、肥沃地では初期の肥効をやや抑えた追肥型の肥培管理が適します。元肥として全体の6~7割を施用し、残りを追肥とするとよいでしょう。
 一方、やせ地や肥料もちの悪い畑では初期から安定した肥効に留意します。育成途中の肥切れは、裂根や地上部病害(黒葉枯病など)の発生につながるため注意しましょう。
 また、ニンジンはリン酸の肥効が生育に重要といわれています。リン酸成分主体の「ホストマト」などの葉面散布剤を、生育中後期に数回散布すると発根が促され地上部が健全となり、安定生産・良品多収へとつながります。
「均一な発芽」と「スムーズな初期生育」: ニンジン栽培は、発芽をそろえ、初期生育を順調に進めることが良品多収の最重要ポイントとなります。ニンジンの種子は吸水力が弱く、発芽に多くの水分を必要とします。発芽をそろえるよう十分な潅水管理を行いましょう。発芽後も乾燥すると又根や裂根が増加するため、土壌水分に留意し適宜潅水を行います。  「翔馬」の「発芽から初期生育が旺盛」という特徴を最大限に生かせるように潅水管理を確実に行い、均一な発芽とスムーズな初期生育を目指しましょう。
病害虫の防除:外注や葉枯れ病害(黒葉枯病や斑点病、斑点細菌病など)は発生すると蔓延しやすく収量に大きく影響します。予防的防除を基本として、播種後1ヵ月あたりから定期的に薬剤頒布を行うと効果的です。また、収穫遅れによる老化は、しみ腐病の発生増加につながるため適期収穫を心掛けましょう。


 

太りよし、そろいよし、肌つやよしの夏まき年内どり種!

●尻詰まりのよい早生種
●初期育成が旺盛で作りやすい
●草姿立性で機械収穫に適す
●根色濃く肌がなめらかで食味良好



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