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第70回 全日本野菜品種審査会 ブロッコリー

令和元年11月7日(木)鳥取県園芸試験場(東伯郡北栄町)にて実施した。

鳥取県で生産される野菜として、ブロッコリーはスイ力と白ネギに次ぐ重要品目となっており、周年出荷を目指して栽培が行われているとのことで、品種への期待も大きい。本年は、生育期間を通して気温が高めに推移したことから、当初予定の11月中下旬開催では収穫適期を過ぎてしまう心配があったため、審査日を早めて開催した。

審査会の開始にあたり、担当機関を代表して吉田亮・場長より御挨拶があり、続いて日種協技術研究委員会を代表して古川紀彦・副委員長(山陽種苗㈱)より謝辞が述べられた。その後、農研機構野菜花き研究部門野菜育種· ゲノム研究領域の小原隆由・アブラナ科コニット長を審査長として打合せを行った。

続いて栽培を担当された森本康史・野菜研究室長より耕種概要の説明があった後、立毛100点·収穫物300点の計400点満点による審査を実施した。

立毛審査の様子

収穫物の調整作業

  • 耕種概要

    栽培場所

    鳥取県園芸試験場11号圃場

    土質

    淡色黒ボク土

    前作

    緑肥(ソルゴーすき込み)

    試供品種

    21点

    栽培規模

    1区26株、2区制

    栽植様式

    条間70cm、株間35cm、1条植え

    播種

    8月6日 128穴セルトレイで育苗した。(用土:スミソイルN150)

    定植

    8月26日

    施肥

    合計成分量【N:P2O5:K2O = 18.2:18.0:12.8】(kg/10a)
    元肥 8月25日 セルカフレンド 100kg/10a, 魁3号 100kg/10a
    成分量【N:P2O5:K2O = 15.0:16.0:10.0】(kg/10a)
    追肥 9月18日 硝酸入り複合肥料 S604 20kg/10a
    成分量【N:P2O5:K2O = 3.2:2.0:2.8】(kg/10a)

    薬剤散布

    薬剤使用基準に基づき、防除を行った。

    8月25日ネビリュウ、ダイアジノン粒剤3
    8月26日プレバソンフロアブル5、アルバリン粒剤(定植時土壌混和)
    9月3日パレード20フロアブル、ディアナSC
    9月13日Zボルドー、プレオフロアブル
    9月24日アミスター20フロアブル、カスミンボルドー、トルネードエースDF
    10月7日シグナムWDG、アファーム乳剤
    10月9日コサイド3000
    10月16日ファルコンフロアブル、コルト顆粒水和剤、アミスター20フロアブル
    10月23日レーバスフロアブル
    10月29日アミスター20フロアブル

    管理

    中耕・土寄せを9月4日および9月18日に行った

    収穫物審査の様子

    イチゴ「とっておき」試験温室の視察

  • 生育期の気象状況・生育状況

    栽培期間全体の気象状況については、平年に比べて気温は高く推移した。定植前後は降雨が続き気温はやや低く推移したが、9月上旬からは平年を上回る気温で推移し、10月中旬まで気温は高かった。ブロッコリーの生育は全体的に早く、10月9日頃に最も早い品種で出蕾を認めた。定植は播種後20日の8月26日に行ったが、定植後に降雨が続いて根腐れが発生したため、9月1日から16日にかけて補植作業を4回行った。9月23日に台風17号、10月12日に台風19号による風の影響で株が傾き、翌日に修復作業を行った。10月下旬から11月上旬にかけて気温は高く推移した。審査会の圃場と同一日に播種、定植した別圃場では、10月25日から収穫が始まった。

    生育の状況として、育苗期は特に問題なく順調に生育した。圃場では定植後の降雨の影響による根腐れが発生したが、その後の病害虫の発生は防除により特に大きな問題はなかった。近年発生の多い黒すす病の発生はほとんどなかった。10月下旬に一部でべと病の発生が認められたが、数回の防除を行い、特に問題はなかった。

  • 結果発表および講評

    審査終了後には、野菜研究室の淺尾悠介研究員のご案内により、試験場内の花き試験温室や、県オリジナルのイチゴ品種「とっておき」の試験研究に関する視察が行われた。

    その後、小原審査長より入賞品種の発表があり、併せて「猛暑の中での育苗から、数度の台風に見舞われるなど厳しい環境の中、適切な栽培管理をして頂いた烏取県園芸試験場のご担当者には深く御礼申し上げる。入賞した品種をみると、草姿が立性で病害が少なく、花蕾の形状がドーム状で緑色の発色が美しい品種が上位に入賞しているように思われた。ブロッコリーは、全体的に生産が減りつつある野菜品目の中で、生産が増加している重要な品目である。近年は気候の変化が激しく、生産現場に大きな影響をもたらしているが、これからは、気象変動に鈍感な性質を持ち、湿害に強い品種の育種に期待したい。」との講評があった。

    審査会の閉会にあたり、日種協鳥取県支部を代表して、支部事務局の永田健司氏(㈱ランドサイエンス)より、入賞した出品社への祝辞と併せ「今回の審査会にも多数の出品があり、鳥取県のブロッコリー産地への注目度の高さを感じている。昔は、県内では秋冬どり作型しかなかったが、今では品種育成の発展とともに作型が広がり、ほぼ周年での栽培が行われている。今後も、生産者にとってより良い情報を提供できるよう支部として普及に取り組んでいきたい。」との言葉を以て終了した。

    審査結果【ブロッコリー(夏まき年内どり)】(400点満点)

    順位立毛収穫物合計等級品種名出品者
    179.44244.76324.201等特BL交配 BL-648㈱ブロリード
    280.94241.17322.112等YQQ191住化農業資材㈱
    376.11237.50313.613等MKS-B107みかど協和㈱
    477.89234.75312.643等サカタ交配 SK6-116㈱サカタのタネ
    577.44229.41306.853等サカタ交配 K8-119㈱サカタのタネ
    677.56229.17306.733等ダイヤ交配 R3-026トキタ種苗㈱

    1等特別賞「BL-648」

  • 審査員内訳

    官公審査員

    ・農研機構野菜花き研究部門
    ・兵庫県立農林水産技術総合センター淡路農業技術センター
    ・島根県農業技術センター
    ・香川県農業試験場
    ・鳥取県園芸試験場

    日種協

    ・野菜種子部会員
    ・鳥取県支部会員