最近スーパーや直売所でもよく見かけるようになった種子繁殖型イチゴ「よつぼし」。
有名パティスリーのスイーツにも使用されていますよね。
農福連携・企業農業で「よつぼし」を栽培される企業様も増えております。
食味の良さや種子繫殖型イチゴのメリットから生産者様も年々増加しております。
おいしさはもちろん、種子から栽培するので親株管理やランナーを増やす必要がなく作業労力を大幅に削減できます。病害虫のリスクもぐんと減ります。
生産者様も家庭菜園をされるかたも、今回「よつぼし」を知っていただきぜひ栽培していただければ幸いです。
「よつぼし」とは
「よつぼし」果実の特徴
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鮮紅色で形の良いきれいな果実です。
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「甘味」(あまみ)、「酸味」(さんみ)、「風味」(ふうみ)、「美味」(うまみ)が揃って「よつぼし」級においしい。高糖度で風味がある濃厚な食味です。
「よつぼし」名前 もう一つの意味
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「よつぼし」という名前には、4機関(三重県、香川県、千葉県、九州沖縄農業研究センター)が共同で開発した期待の品種という意味も含まれています。
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国内2番目のイチゴ種子繁殖型品種で、実用利用される品種としては初になります。
「よつぼし」栽培メリットと特徴
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種子繁殖であるため、親苗の管理・ランナー増殖の必要がなく作業労力を大幅に削減できます。
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種子繁殖であるため、病害虫の親子間伝染を回避し、抜群の増殖率で、優れた種苗を効率よく得ることができます。
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早生性品種で、促成栽培(ポット育苗)で、5月播種、9月定植、11月下旬収穫開始が可能です。
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基本的には、低温短日に反応して花成形成します。加えて、25~27℃以下の気温条件では、24時間日長の長日条件でより花成誘導されやすいという「長日反応性」(四季成り性)を持っています。
播種~鉢上げ
ここではポットでの播種をご紹介いたします。
播種管理方法(促成栽培二次育苗用)
イチゴの種子は、温度や水分状態が好適なときでも、発芽するまで2~3週間を要します。この期間の管理が悪いと発芽率や揃いが大きく低下します。また、発芽したての苗は小さく弱いものですから、注意深く観察し、大切に育ててください。
以下に紹介する方法は、イチゴ栽培プロ農家の促成栽培用として、種子をバラ播きして、そのまま一次育苗し、ポットに植え替えて二次育苗(ポット育苗)する方法です。
播種方法には、バラ播きする方法とセルトレイに1粒ずつ播種する方法がありますが、ここで説明するバラ播きする方法は、セルトレイに播種するよりも、苗の揃いが悪いのが欠点ですが、作業が簡単で播種後の潅水管理が容易という利点があります。
その後、ポットで二次育苗する方法と本圃に直接定植する方法がありますが、ここで説明するポットで二次育苗する方法は、本圃に直接定植する方法よりも、育苗労力が掛かるのが欠点ですが、育苗中に苗の揃いがよくなり、花芽が安定するのが利点です。
播種時期
発芽の適温は日平均気温20~25℃で、5月上旬以降が適期になります。定植(9月下旬)までに十分な育苗期間を確保するため、5月中下旬、遅くとも6月上旬までには播種してください。温度が低いと、発芽まで日数がかかり、発芽率も低くなります。
準備物
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底面吸水トレ-
不織布 72cm×28cm
9cmポリポット 21枚
種子 30~50粒×21袋
9cmポットを用いる理由
大きな容器では、病害虫が発生したとき、全体に伝染してしまうことがある。
9cmポットで小分けしておけば、病害虫が発生したものを廃棄しやすいため。
播種
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播種後たっぷりと潅水。
灌水方法
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鉢上げ
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大苗の場合、播種から8週間程度。
大苗では葉柄が徒長するが、移植後に新しく出てくる葉は正常に戻るので、それほど気にする必要はない。
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鉢上げ後の管理
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鉢上げ後は、ランナー株と同様に、施肥、潅水や葉かきの管理を行う。
葉かき:3~4枚の葉を残し、下葉を除去する。
参考資料(PDF)
家庭菜園をされる方は上記「家庭菜園用 種まき方法」をご参考にしてください。
まとめ
適正播種時期までもう少しです。
今年はぜひ種子からイチゴの栽培をしてみてはいかかでしょうか。
食味が良いのはもちろん、作業コストの大幅削減、病害虫のリスク低下など、たくさんのメリットがある種子繫殖型イチゴ「よつぼし」。
これからもたくさんの方に栽培していただき、その美味しさをたくさんの方に知っていただけますように、「よつぼし」の魅力を伝えてゆきます。
















