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e-種や|野菜種、花種と苗の三重興農社

■種をまいたけど発芽しない!という失敗は時たまあるものですが、これは温度や水分など、発芽の条件が整わなかった事が原因の事が多いのです。ただし、失敗した後で、何が失敗の原因だったかをさぐるのは意外と難しいものです。自分では、きちんと管理していたつもりのときは、なおさらというものです。失敗したらその場でもう一度よく原因を探って、原因にきちんと辿りつくことが、次の成功につながります。

■また、種を買うときに入っている袋には、発芽率○○%というように、一定の条件下で試験した発芽成功率が表示されています。この数字が高いほど、発芽する確立が高いということを示します。発芽率は品種によって異なりますが、この数値の高いものを選ぶのも、失敗を避けるポイントになります。

種

種子発芽の生理を学ぶ

■種子は成熟につれて含水率が10%程度までに減少し、この脱水過程で貯蔵性を獲得します。

■乾燥した種子は吸水によって活動を開始しますが、この吸水過程は3段階に分かれています。

■第一段階は種子の生死に関わらず行われ、いわゆる物理的吸水過程です。第二段階では、含水率はほとんど変化しないか、わずかに増加し、この間に生理的な種々の代謝変化が見られ、生理的吸水と呼ばれます。第三段階は、幼根の発生に伴う吸水過程で、成長的吸水過程ともいわれ、この吸水過程で植物は急速に成長するのです。

■この三段階のどの段階でも水切れが起こると、種子は発芽しません。

■種子の発芽には良くご存知のように「水、温度、酸素」が必要です。(ただし、イネ科の水生植物の中には酸素を必要としないものもあります)。この発芽3要素が欠如するなどの外的環境条件によって発芽が抑制されている状態を「強制睡眠」といいます。また、種子の持つ発芽抑制物質にによる発芽阻害や吸水阻害などによって発芽できない状態を「自発的休眠」といいます。

■発芽に関わる外的要因として光を必要とするものがあり、発芽に光が必要なものを「好光性種子」といいます。この仲間にはレタス、ミツバ、ゴボウ、シソ、そしてシュンギクなどのキク科植物があり、逆に暗黒下で発芽しやすいものとしてダイコン、ニラそしてスイカ、カボチャなどのウリ科植物があります。

1.水分

■種子は乾燥状態にあれば、他の条件を揃えていても発芽する事はありません。種子が水分を吸収する量は種類によって異なり、イネ科の種子は種の重量の25~30%を吸水しますが、マメ科の種子は80~120%吸水します。しかし、供給する水分の量は多すぎても少なすぎても良くありません。

■水分が多すぎると、酸素の供給が妨げられ、発芽が阻害されますし、少なすぎると発芽に必要な量を吸収できず、発芽遅れや、生長が停止します。

■種子によってはこのような不利な条件に耐えるため、二次休眠に入るものも有ります。

2.温度

■普通の種子は、5℃くらいの低温から発芽し始めますが、これを発芽最低温度といい、だんだん温度が上がるにつれて発芽も良好になり、ついには最高点に達します。

■この温度を発芽の最適温度「発芽適温」と言います。

■さらに、それにより温度を上げていくと今度は逆に発芽がだんだん悪くなってゆき、まったく発芽しなくなります。

■販売種子の発芽試験は発芽適温で行うのが原則でその結果を発芽率で示しています。

■普通の野菜種子は20℃~25℃を発芽適温とするものが多いですが、30℃以上の高温を好むもの(すいか、かぼちゃ、スィートコーン、大豆、イネ)や、反対に20℃以下の低温を好むもの(ほうれんそう、レタス、セロリー、えんどう、そらまめ、ネギ、タマネギ、しろ)などがあります。

■多くの種子は、種子一定の温度におくとよく発芽しますが、中にはナスやミツバのように、一定の温度では発芽しにくいものもあります。

■発芽試験ではこのような変温の必要なものは、高温を30℃、低温は20℃に設定し、高温8時間、低温16時間としています。

■しかし、ナスの場合は逆で、高温を長くする方が発芽が早くなります。

気温-発芽

3.酵素

■余りにも深い覆土とか水浸しという場合を除き、酸素は空気中に十分にあるため通常は問題になりません。一般に10%以上の酸素濃度を必要としますが(空気中の酸素濃度は約21%)、発芽可能な酸素濃度は5%以上です。これも種類によりかなりのばらつきがあります。

4.光線

■種子が発芽する場合、光線の存在によって発芽が促進される種子を好光性種子といい、反対に抑制される種子を嫌光性種子ということは前にお話しましたが、光線の影響は発芽温度によってかなり変化します。

5.種子の休眠

■種子が完熟し、完全に発芽力を備えているにも関わらず、普通の条件では発芽しない現象を種子の休眠と言います。成熟にしたがって自然に休眠するのを一次休眠、これに対して種子がある不利な条件に遭遇した場合に、それに耐えようとして入る休眠を二次休眠ということは、先にお話しました。

■野菜種子では十字花科作物、ぼごう、レタス、その他数種のものに見られます。

■休眠打破の方法には(1)溶液を使うもの、(2)5℃~10℃の低温に一定期間保つもの。(3)60℃で2~3日通風感想するものなどがあります。(1)はダイコン、レタス、ゴボウ、シュンギク、ナス、シソ、(2)はダイコン、レタス、シソ、タデ類、(3)はホウレンソウ、らっかせいなどです。

【休眠打破】
休眠していた植物や種子が、休眠を止めることを『休眠打破』と言います。これには休眠打破物質、光、生体時計などが関与しています。この中で休眠打破に大きな働きをするのが、休眠物質の『ジベレリン(GA)』です。植物ホルモンのひとつです。
休眠物質は『アブジシン酸(ABA=ドーミンdormancyまたはドルミン)』。休眠打破物質は『ジベレリン(GA)』。共にメバロン酸由来のものです。

休眠打破

6.硬実

■一般に種皮が硬くて吸水しにくいため、発芽しない種子を硬実といいます。

■野菜種子では通常有りませんが、エンドウ、インゲン、オクラなどを乾燥貯蔵した場合に若干の硬実を生じる事があります。

■身近で有名なのは朝顔です。一部をナイフで削ったり、砂と混ぜて、種皮を傷つけた記憶のある方も多いと思います。ただ、現在の種子はその処置をして販売しているものも有ります。

7.発芽しない原因を探る

失敗その(1) 土の乾燥
■せっかく芽が出ようとしているのに、水切れさせてしまったケースです。
■芽は土中で枯れてしまうので、もう発芽しません。まき床の土はいつも適度に湿っている状態を保つ事が大切です。

失敗その(2) 水の与えすぎで、土が腐った
■大粒の種子の場合、ぜんぜん芽が出てこないのは、こういう場合が多いものです。たねまき用土はなるべく水はけの良いものを使います。
■また、大粒種子の場合は、土が乾く直前まで水を控え、乾き気味に管理するのがポイントになります。とくに、芽が出る前に雨に当てるのは避けたいものです。

失敗その(3) 発芽適温を守れなかった
■温度は高すぎても、低すぎても芽は出てきません。発芽温度には十分注意しましょう。
■以外と地温が高過ぎたり、低すぎたりするのはよくある例です。地温計などもありますので、利用しては如何でしょうか。

失敗その(4) 温度が高すぎた
■温度を確保するため、まき床をガラスなどで覆っておくと、温度は保てますが、湿度が異常に高くなり、種が腐ってしまうことがあります。

失敗その(5) 好光性の種子なのに、覆土してしまった
■種は覆土するものという固定観念があると、こういう失敗を招きやすくなります。
■種をまく前に、種袋の説明書を読めば、覆土不要については必ず説明してあります。
■同様に説明に薄く覆土すると書いてある場合も、決して厚く土をかけてはいけません。
■また、嫌光性の種子に覆土しなかった場合も、芽が出ません。この場合は、もう一度覆土し直せば、芽が出てくることもあります。

失敗その(6) 硬実の種を吸水させずにまいてしまった
■アサガオなどの硬実の種子は、必ず種が水を含んだのを確認してからまきましょう。
■芽が出てこないときは、まいたところを指でさぐると硬い種が出てきます。これを再び取り出して、傷をつけて水を吸わせてからまくと発芽します。

失敗その(7) 未熟な用土を使った
■完全に醗酵していない未熟な腐葉土などを種まきに使うと、醗酵熱が出たりガスが発生して、せっかく出ようとした芽を傷めてしまいます。
■腐葉土や堆肥は完熟したものを使うのが鉄則です。

失敗その(8) 水やりの水が強すぎて種が流れた
■せっかく薄く均等にまいても、上から強く水をかけては種が流れてしまいます。
■播種後の水やりは、大粒ダネをのぞいて、底面吸水させるか、ハンドスプレーなどで優しく水をやります。
■種は横に流れるだけでなく、奥深く沈む事もあります。結果的に超深植えになって、発芽不良になることもあります。

失敗その(9) 種子が古い。または、管理が悪かった
■種子が古くなると発芽率が悪くなるものもあります。また、買って帰りうっかり湿気の多い場所や熱いところなどにおいて置くと発芽率が下がってしまいます。
■個人での種の保存は難しいもの。きちんと管理されているお店で買い、置き場所にも注意して、シーズン中に使いましょう。

失敗その(10) 酸素不足
■発芽時には呼吸作用がさかんになり多くの酸素を必要とします。
■余りにも深く種を蒔きすぎたり、蒔き床が水浸しになって酸素不足が原因で発芽できない事もあります。

8.主要野菜の発芽適温
◇トマト・・・20~30℃ ◇キャベツ・・・15~30℃
◇ナス・・・昼16時間30℃ 夜8時間20℃ ◇ホウレンソウ・・・15~20℃
◇ピーマン・・・20~30℃ ◇レタス・・・15~20℃
◇キュウリ・・・25~30℃ ◇ハナヤサイ・・・15~30℃
◇スイカ・・・25~30℃ ◇ダイコン・・・15~30℃
◇メロン・・・25~30℃ ◇ニンジン・・・15~25℃
◇カボチャ・・・25~30℃ ◇タマネギ・・・15~20℃
◇ハクサイ・・・20~25℃
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資料:社団法人 日本種苗協会編 種苗読本